中期経営計画を加速し実効性を高めてまいります

 2024年3月期における当社の連結業績は、2023年4月に中間年の薬価基準の引き下げが行われるなど、引き続き医療費抑制策の影響を受けましたが、がん治療薬やスペシャリティ医薬品をはじめとする取扱卸を限定する製品の売上が引き続き伸長したことや、一部の製薬メーカーによる流通体制の変更などにより、売上高14,767億円(前年同期比6.1%増)、営業利益193億円(前年同期比18.1%増)と、売上・利益とも前年度を上回る結果となりました。

 当社グループは、2023年5月に2023年度からの3か年を期間とする中期経営計画2023-2025「次代を創る」を公表しました。「事業変革」、「成長投資・収益性向上」、「サステナビリティ経営」、「資本効率の改善と株主還元の向上」の4点を基本方針とし、積極的なアライアンスやDXの推進により各施策を推進しております。具体的には、卸売事業における二次医療圏を軸としたチーム制に移行するための組織再編や事業所の統廃合、調剤薬局事業における事業会社の再編、収益性向上に向けた積極的なアライアンスや今後の成長が期待される分野の研究開発に取り組むベンチャー企業との資本業務提携などに取り組んでおります。また、上記施策の実行をより加速し、その実効性を高めるため、2024年3月には経営戦略本部と物流・システム企画本部を新設しました。さらに、重要な経営戦略や事業戦略等について議論・検討を行う経営戦略委員会を取締役会の諮問機関として設置しました。社外からの多様な視点を取り入れるため社外取締役および社外有識者を含めたメンバーで構成しており、その検討結果については本年11月をめどに公表させていただく予定です。

 資本効率の改善につきましては、2回の自己株式取得(各60億円、合計120億円)を実施し、2回目に取得した株式についてはその全株を消却いたしました。また、DOE2%という目標を見据え、配当につきましては、年間40円(記念配当4円を含む)とさせていただきました。2025年3月期の配当は年間50円とさせていただく予定です。

 今後もすべてのステーホルダーの皆さまからのご期待に応え、次代においても社会から必要とされる企業を目指してまいります。

 引き続きご支援・ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

代表取締役CEO 兼 CFO 

枝廣 弘巳