当社及び当社グループの事業その他に関する主なリスクは以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであり、当社及び当社グループの事業その他に関する全てのリスクを網羅したものではありません。

1.法的規制等について

 当社グループの主な事業、取り扱い品目は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)および関連法規等の規定により、必要な許可、登録、指定または免許を受け、販売活動を行っております。当社グループでは、当該規定等を遵守するため2003年に役職員が遵守すべき規範として倫理綱領を制定しております。そして、2017年には同倫理綱領を改定し、独占禁止法および医薬品医療機器等法を遵守すべき重要関連法規と位置づけ、全社員に規範の実践を周知徹底しております。さらに、2020年5月1日付で当社グループの薬事機能の組織再編を行い、医薬品卸売事業子会社の東邦薬品株式会社にあった薬事部(薬事情報部に名称変更)に加え、当社に当社グループの薬事機能を統括する薬事統括部を新設し、ガバナンスの一層の強化を図っております。
 しかしながら、当社連結子会社である東邦薬品株式会社が、独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)を発注者とする2016年および2018年の医療用医薬品の入札に関し、2020年12月9日に独占禁止法違反容疑で公正取引委員会から刑事告発され、東京地方検察庁により起訴されました。これにともない、今後、罰金、課徴金および違約金の支払いが生じる可能性があり、今後発生しうる損失額を見積もり独占禁止法関連損失として引き当てております。また、上述した起訴、今後の判決および行政処分等の結果を踏まえ、自治体等の顧客から東邦薬品株式会社との取引を一定期間制限され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

2.薬価基準改定および医療保険制度改革の影響について

 当社グループの主要取扱商品である医療用医薬品は、薬価基準に収載されております。薬価基準は医療保険で使用できる医薬品の範囲と医療機関が使用した医薬品等の請求価格を定めたものであり、販売価格の上限として機能しております。
 この薬価基準については、厚生労働省が市場における医療用医薬品の実勢価格調査(以下「薬価調査」といいます。)を行い、その結果を薬価基準に反映させるために2年毎に改定が行われております。また、2018年4月の薬価制度の抜本改革により2021年4月より中間年における薬価調査・薬価改定が導入されております。今後の薬価基準改定および医療保険制度の改正の内容によっては売上への影響に加え、医療機関への納入価格やメーカーの仕切価格や割戻金、販売報奨金にも影響し、その結果、利益にも影響を与えるなど、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

3. 特有の商慣習について

 当社グループが主に事業展開する医療用医薬品卸売業界においては、医薬品が生命関連商品であり納入停滞が許されないという性質上、医薬品を価格未決定のまま医療機関・調剤薬局に納入し、その後に価格交渉を始めるという特異な取引形態が旧来より続いております。官民挙げてかかる流通慣行の改善に継続して取り組んでいるところではありますが、交渉が難航した場合に当社グループでは合理的な見積もりにより決定予想価格を算出して売上計上しております。価格交渉に長時間を要する場合や当初予想と異なる価格での決定となる場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

4.販売中止、製品回収等について

 当社グループの取り扱う製品が予期せぬ副作用や異物混入等により販売中止または製品回収等の事態となった場合には当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

5.調剤薬局事業について

 医療用医薬品の性格上調剤過誤が生じた場合、人体に損害を生じさせる可能性があります。人的過失等の事由により調剤過誤が発生したときは、多額の賠償金の請求を受けるだけではなく、既存顧客の信用および社会的信用の低下を招くおそれがあります。その場合、その内容によっては当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、厚生労働省令によって薬局への薬剤師の配置に人数を厳しく規制されており、薬剤師の必要人数が確保されない場合には当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
 さらに調剤薬局事業は薬価基準に基づく医療用医薬品販売収入ならびに健康保険法に定められた調剤報酬点数に基づく調剤料および薬学管理料等が主要な収入となります。従って、薬価改定や調剤報酬改定の内容や医療保険制度改革による制度改正の内容によっては当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

6.消費税について

 調剤薬局事業において、調剤売上は消費税法により非課税となる一方で、医薬品等の仕入は同法により課税されております。そのため、調剤薬局事業では、消費税等の最終負担者として費用計上しております。従って、将来消費税が改定されたときに薬価基準がその変動率に応じて改定されなかった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

7. 医薬品製造販売事業について

 医薬品製造販売事業ではジェネリック医薬品の製造及び販売ならびに注射用医薬品の受託製造を行っています。調達する原料・資材から生産の各工程、出荷に至る過程において、独自の検証システムに基づき製品の品質を厳格に監視しておりますが、予期せぬ副作用の発生や調達・製造プロセスにおいて品質や安全性の問題が生じたことより販売中止や製造中止等の事態となった場合には当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
 また、製造または原材料について特定の取引先に供給を依存している品目があり、調達・製造プロセスにおいて停滞・遅延が発生した場合にはその影響を受ける可能性があります。

8.減損損失について

 固定資産の減損会計は、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として当期の損失とすることとされております。このため、保有する固定資産の収益性の低下や市場価値が著しく下落した場合など、固定資産の減損会計の適用により特別損失の計上が必要となり、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
 また、時価のない投資有価証券は、1株当たり純資産額と取得価額とを比較して1株当たり純資産額が50%を下回り、合理的期間内に取得価額まで回復可能性があると判断できない場合には、当該減少額を投資有価証券評価損等として当期の損失とすることとされております。このため、市場環境や商品・製品開発の状況、競合他社の状況の変化等により、保有する株式発行会社の事業計画等が達成されず、1株当たり純資産の回復可能性が見込まれないと判断された場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

9.システムトラブルについて

 当社グループは、その事業運営をコンピュータシステム及びそのネットワークに依拠しております。基幹システムおよび周辺システムの完全二重化によるバックアップ体制を構築しておりますが、大規模なシステムトラブルが発生した場合には当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

10.自然災害・パンデミックについて

 当社グループは、自然災害やパンデミック等に備え、危機管理体制の構築や基幹システムおよび周辺システムの完全二重化、物流センターの自動化等を実施しております。また、気候変動等におけるリスクをエリアごとに明確化し課題と対策をまとめた災害対策計画書を策定しておりますが、想定外の大規模災害やパンデミックが発生し事業所や物流センター、店舗の閉鎖など、事業活動に支障をきたした場合、売上高の低下、復旧にともなう期間や費用の状況によって、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。特に、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響につきましては、感染リスクを警戒した患者の受診抑制による処方箋枚数の減少が足元で見られており、また、販売・物流機能への影響も考えられます。なお、感染の収束時期も含め現時点で予測を立てることは困難であり、そのため、当社グループの営業活動や業績に大きな影響を与える可能性があります。

11.個人情報の管理について

 当社グループは医療従事者や患者について、それぞれ多数の個人データを取り扱っております。当社グループは、個人情報保護の重要性に鑑み、「個人情報保護法」およびその他の規範を遵守し、当社が定める「共創未来グループ倫理綱領」および個人情報取扱規程にもとづいて、個人データの管理体制を確立しておりますが、医療従事者および患者に関する個人データは、その資産価値および高秘密性から、その取り扱いに不備があった場合、一般的な個人データの漏洩の場合に比し、より重い社会的信頼の低下や賠償責任が生じる可能性があります。